「投稿者: magoroku@tnnt」の記事一覧

世界怪談名作集 スペードの女王 プーシキンAlexander S Pushkin ——岡本綺堂訳
     一  近衛騎兵のナルモヴの部屋で骨牌《かるた》の会があった。長い冬の夜はいつか過ぎて、一同…
半七捕物帳– 柳原堤の女——- 岡本綺堂
     一  なにかの話から、神田の柳原の噂が出たときに、老人はこう語った。 「やなぎ原の堤《どて…
世界怪談名作集 ラッパチーニの娘 アウペパンの作から ホーソーンNathaniel Hawthorne ——岡本綺堂訳
      一  遠い以前のことである。ジョヴァンニ・グァスコンティという一人の青年が、パドゥアの大…
青蛙神—– 岡本綺堂
 第一幕の登場人物 李中行 その妻 柳 その忰 中二 その娘 阿香 高田圭吉 旅の男           …
半七捕物帳–津の国屋—— 岡本綺堂
     一  秋の宵であった。どこかで題目太鼓の音《ね》がきこえる。この場合、月並の鳴物だとは思い…
箕輪心中—– 岡本綺堂
     一  お米《よね》と十吉《じゅうきち》とは南向きの縁に仲よく肩をならべて、なんにも言わずに…
両国の秋—–岡本綺堂
     一 「ことしの残暑は随分ひどいね」  お絹《きぬ》は楽屋へはいって水色の《かみしも》をぬい…
籠釣瓶—–岡本綺堂
    一  次郎左衛門《じろざえもん》が野州《やしゅう》佐野の宿《しゅく》を出る朝は一面に白い霜が…
半七捕物帳 白蝶怪—–岡本綺堂
   一  文化九年――申《さる》年の正月十八日の夜である。その夜も四ツ半(午後十一時)を過ぎた頃に、…
小坂部姫—–岡本綺堂
双《ならび》ヶ|岡《おか》 一 「物|申《も》う、案内《あない》申う。あるじの御坊おわすか。」  うす…
三浦老人昔話—– 岡本綺堂
桐畑の太夫        一  今から二十年あまりの昔である。なんでも正月の七草すぎの日曜日と記憶し…
青蛙堂鬼談 —–岡本綺堂
  青蛙神《せいあじん》      一 「速達!」  三月三日の午《ひる》ごろに、一通の速達郵便がわた…
玉藻の前—– 岡本綺堂
清水詣《きよみずもう》で 一 「ほう、よい月じゃ。まるで白銀《しろがね》の鏡を磨《と》ぎすましたよう…
探偵夜話—— 岡本綺堂
火薬庫《かやくこ》  例の青蛙堂主人から再度の案内状が来た。それは四月の末で、わたしの庭の遅桜も散り…
鮨—– 岡本かの子
 東京の下町と山の手の境い目といったような、ひどく坂や崖《がけ》の多い街がある。  表通りの繁華から…
蝙蝠—— 岡本かの子
 それはまだ、東京の町々に井戸のある時分のことであつた。  これらの井戸は多摩川から上水を木樋でひい…
渾沌未分—– 岡本かの子
  小初は、跳《は》ね込《こ》み台の櫓《やぐら》の上板に立ち上った。腕《うで》を額に翳《かざ》して…
朧 —–岡本かの子
 早春を脱け切らない寒さが、思ひの外にまだ肩や肘を掠める。しかし、宵の小座敷で燈に向つてゐると、夜…
老主の一時期—– 岡本かの子
 「お旦那《だんな》の眼の色が、このごろめつきり鈍つて来たぞ。」  店の小僧や番頭が、主人宗右衛門の…
老妓抄—– 岡本かの子
 平出園子というのが老妓の本名だが、これは歌舞伎俳優の戸籍名のように当人の感じになずまないところが…