「投稿者: magoroku@tnnt」の記事一覧

印度の詩人—— 国枝史郎
 印度《インド》独立運動が活溌になりガンジーの名が国際舞台へ大きくうつしだされてきた。  ガンジーに…
一枚絵の女—— 国枝史郎
        一  ご家人《けにん》の貝塚三十郎が、また芝山内で悪事をした。  一太刀で仕止めた死…
ローマ法王と外交—- 国枝史郎
一  帝国政府は今回ローマの法王庁へ原田健氏を初代公使として派遣することになったが時局がら洵《まこと…
レモンの花の咲く丘へ– 国枝史郎
この Exotic の一巻を 三郎兄上に献ず、 兄上は小弟を愛し小弟 を是認し小弟を保護し たまう一人の人なり…
ヒトラーの健全性—– 国枝史郎
  ヒトラーが、未来派の絵画を罵倒した記事を見て、ヒトラーらしいなと思った。  そうしてヒトラーが画…
戯作者—— 国枝史郎
初対面 「あの、お客様でございますよ」  女房のお菊《きく》が知らせて来た。 「へえ、何人《だれ》だね…
珈琲店より——高村光太郎
例の MONTMARTRE の珈琲店《カフエ》で酒をのんで居る。此頃、僕の顔に非常な悲しみが潜んでゐるといつた…
緑色の太陽——高村光太郎
人は案外下らぬところで行き悩むものである。  いわゆる日本画家は日本画という名にあてられて行き悩んで…
木彫ウソを作った時–高村光太郎
  私は自分で生きものを飼う事が苦手のため、平常は犬一匹、小鳥一羽も飼っていないが、もともと鳥獣虫魚…
美術学校時代——高村光太郎
 僕は江戸時代からの伝統で総領は親父の職業を継ぐというのは昔から極っていたので、子供の時から何を職…
美の日本的源泉—–高村光太郎
民族の持つ美の源泉は実に深く、遠い。その涌《わ》き出ずる水源は踏破しがたく、その地中の噴き出口は人…
能の彫刻.——高村光太郎
 能はいはゆる綜合芸術の一つであるから、あらゆる芸術の分子がその舞台の上で融合し展開せられる。その…
智恵子抄——高村光太郎
  人に いやなんです あなたのいつてしまふのが―― 花よりさきに実のなるやうな 種子《たね》よりさきに…
智恵子の半生—–高村光太郎
 妻智恵子が南品川ゼームス坂病院の十五号室で精神分裂症患者として粟粒性《ぞくりゅうせい》肺結核で死…
智恵子の紙絵—–高村光太郎
精神病者に簡単な手工をすすめるのはいいときいてゐたので、智恵子が病院に入院して、半年もたち、昂奮が…
啄木と賢治—–高村光太郎
○岩手県というところは一般の人が考えている以上にすばらしい地方だということが、来て住んでみるとだんだ…
装幀について——高村光太郎
装幀美の極致は比例にあるといふのが私の持論である。尤も此は装幀に限らない。一般人事の究極は、すべて…
蝉の美と造型——高村光太郎
私はよく蝉の木彫をつくる。鳥獣虫魚何でも興味の無いものはないが、造型的意味から見て彫刻に適するもの…
人の首——高村光太郎
 私は電車に乗ると異状な興奮を感ずる。人の首がずらりと前に並んで居るからである。人間移動展覧会と戯…
触覚の世界—— 高村光太郎
 私は彫刻家である。  多分そのせいであろうが、私にとって此世界は触覚である。触覚はいちばん幼稚な感…