「2019年5月」の記事一覧

慈悲心鳥—— 岡本綺堂
     一  人びとの話が代るがわるにここまで進んで来た時に、玄関の書生が「速達でございます。」と…
心中浪華の春雨—– 岡本綺堂
     一  寛延《かんえん》二|己巳年《つちのとみどし》の二月から三月にかけて、大坂は千日前《せ…
ゆず湯—– 岡本綺堂
    一  本日ゆず湯というビラを見ながら、わたしは急に春に近づいたような気分になって、いつもの湯…
恨みの蠑螺 ——-岡本綺堂
    一  文政四年の四月は相州《そうしゅう》江の島弁財天の開帳《かいちょう》で、島は勿論、藤沢か…
異妖編—— 岡本綺堂
 K君はこの座中で第一の年長者であるだけに、江戸時代の怪異談をたくさんに知っていて、それからそれへ…
怪獣—— 岡本綺堂
     一 「やあ、あなたも……。」と、藤木博士。 「やあ、あなたも……。」と、私。  これは脚本風に書…
平家蟹—— 岡本綺堂
 登場人物 官女 玉虫《たまむし》 その妹 玉琴《たまこと》 那須与五郎宗春《なすのよごろうむねはる》…
鼠——– 岡本綺堂
     一  大田蜀山人の「壬戌《じんじゅつ》紀行」に木曾街道の奈良井の宿のありさまを叙して「奈良…
中国怪奇小説集 捜神後記(六朝)——– 岡本綺堂
 第二の男は語る。 「次へ出まして、わたくしは『捜神後記』のお話をいたします。これは標題の示す通り、…
西瓜—— 岡本綺堂
     一  これはM君の話である。M君は学生で、ことしの夏休みに静岡|在《ざい》の倉沢という友人…
馬妖記—— 岡本綺堂
     一  M君は語る。  僕の友人の神原君は作州《さくしゅう》津山《つやま》の人である。その祖…
鰻に呪われた男—— 岡本綺堂
     一 「わたくしはこの温泉へ三十七年つづけて参ります。いろいろの都合で宿は二度ほど換えました…
半七捕物帳 お文の魂—-岡本綺堂
        一  わたしの叔父は江戸の末期に生れたので、その時代に最も多く行はれた化物屋敷の不入…
くろん坊 ——岡本綺堂
    一  このごろ未刊随筆百種のうちの「享和《きょうわ》雑記」を読むと、濃州《のうしゅう》徳山く…
半七捕物帳 三河万歳—-岡本綺堂
     一  ある年の正月、門松《かどまつ》のまだ取れないうちに赤坂の家《うち》をたずねると、半七…
半七捕物帳 小女郎狐—-岡本綺堂
     一  なにかのことから大岡政談の話が出たときに、半七老人は云った。 「江戸時代には定まった…
半七捕物帳 半七先生—-岡本綺堂
    一  わたしがいつでも通される横六畳の座敷には、そこに少しく不釣合いだと思われるような大きい…
半七捕物帳 化け銀杏———- 岡本綺堂
    一  その頃、わたしはかなり忙がしい仕事を持っていたので、どうかすると三月《みつき》も四月も…
二階から—— 岡本綺堂
   二階からといって、眼薬をさす訳《わけ》でもない。私が現在|閉籠《とじこも》っているのは、二階の…
半七捕物帳 むらさき鯉——- 岡本綺堂
     一 「むかし者のお話はとかく前置きが長いので、今の若い方たちには小焦《こじ》れったいかも知…