「国木田独歩」の記事一覧

恋を恋する人——国木田独歩
一  秋の初《はじめ》の空は一片の雲もなく晴《はれ》て、佳《い》い景色《けしき》である。青年《わかも…
夜の赤坂——國木田獨歩
 東京の夜の有様を話して呉れとの諸君《みなさん》のお望、可《よろ》しい、話しましよう、然し僕は重に…
忘れえぬ人々——国木田独歩
 多摩川《たまがわ》の二子《ふたこ》の渡しをわたって少しばかり行くと溝口《みぞのくち》という宿場が…
武蔵野——国木田独歩
     一 「武蔵野の俤《おもかげ》は今わずかに入間《いるま》郡に残れり」と自分は文政年間にできた…
富岡先生——国木田独歩
        一  何|公爵《こうしゃく》の旧領地とばかり、詳細《くわし》い事は言われない、侯伯子…
非凡なる凡人——国木田独歩
     上  五六人の年若い者が集まって互いに友の上を噂《うわさ》しあったことがある、その時、一人…
疲労——国木田独歩
 京橋区|三十間堀《さんじっけんぼり》に大来館《たいらいかん》という宿屋がある、まず上等の部類で客…
二老人——国木田独歩
       上  秋は小春のころ、石井という老人が日比谷公園《ひびやこうえん》のベンチに腰をおろし…
二少女——国木田独歩
        上  夏の初、月色|街《ちまた》に満つる夜の十時ごろ、カラコロと鼻緒のゆるそうな吾妻…
湯ヶ原より——国木田独歩
内山君《うちやまくん》足下《そくか》  何故《なぜ》そう急《きふ》に飛《と》び出《だ》したかとの君《…
湯ヶ原ゆき——国木田独歩
        一  定《さだ》めし今《いま》時分《じぶん》は閑散《ひま》だらうと、其《その》閑散《…
都の友へ、B生より—国木田独歩
 (前略)  久《ひさ》しぶりで孤獨《こどく》の生活《せいくわつ》を行《や》つて居《ゐ》る、これも病…
竹の木戸——国木田独歩
        上  大庭《おおば》真蔵という会社員は東京郊外に住んで京橋区辺の事務所に通っていたが…
置土産——国木田独歩
餅《もち》は円形《まる》きが普通《なみ》なるわざと三角にひねりて客の目を惹《ひ》かんと企《たく》み…
怠惰屋の弟子入り—-木田独歩
 亞弗利加洲《アフリカしう》にアルゼリヤといふ國《くに》がある、凡そ世界中《せかいぢゆう》此國《こ…
節操——国木田独歩
『房《ふさ》、奥様《おくさん》の出る時何とか言つたかい。』と佐山銀之助《さやまぎんのすけ》は茶の間…
石清虚——國木田獨歩
 雲飛《うんぴ》といふ人は盆石《ぼんせき》を非常に愛翫《あいぐわん》した奇人《きじん》で、人々から…
星——国木田独歩
 都に程《ほど》近き田舎《いなか》に年わかき詩人住みけり。家は小高き丘の麓《ふもと》にありて、その…
少年の悲哀——國木田獨歩
 少年《こども》の歡喜《よろこび》が詩であるならば、少年の悲哀《かなしみ》も亦《ま》た詩である。自…
小春——国木田独歩
一  十一月|某日《それのひ》、自分は朝から書斎にこもって書見をしていた。その書はウォーズウォルス詩…