「蒲原有明」の記事一覧

緑蔭叢書創刊期—– 蒲原有明
 藤村君のこれまでの文壇的生涯を時代わけにして、みんなが分擔して書きたいことを書きとめておくのもよ…
龍土會の記—– 蒲原有明
 龍土會といつても誰も知る人のないぐらゐに、いつしか影も形もひそめてしまつてゐる。そのやうに會はた…
夢は呼び交す ――黙子覚書―― —–蒲原有明
書冊の灰  二月も末のことである。春が近づいたとはいいながらまだ寒いには寒い。老年になった鶴見には寒…
都喜姫—– 蒲原有明
つき姫とは仮に用ひし名なり、もとの事蹟悽愴むしろきくに忍びず、口碑によれば「やよがき姫」な り、領主…
長谷川二葉亭—– 蒲原有明
 長谷川二葉亭氏にはつい此あひだ上野精養軒で開かれた送別會の席上で、はじめてその風※[#「蚌のつくり…
仙人掌と花火の鑑賞—蒲原有明
 わたくしはいつもの瞑想をはじめる。――否、瞑想ではない、幻像の奇怪なる饗宴だ。雜然たる印象の凝集と…
新しき聲—– 蒲原有明
       (一)  同時代に生れ出た詩集の、一は盛《さか》へ他は忘れ去られた。「若菜集」と「抒情…
松浦あがた—– 蒲原有明
     一 「黄櫨成[#レ]列隴※[#「縢の糸に代えて土」、107-上-4][#「※[#「縢の糸に代えて土…
小山内謝豹—– 蒲原有明
 小山内君は一時謝豹といふ雅號を用ゐてゐました。それをおぼえてゐる人は恐らく稀でせう。もう十五六年…
詩の將來について—–蒲原有明
 こゝに掲げた標題が私に課せられた難問である。私は答案に窮するより外はない。  近頃は社會萬般に亙つ…
狂言綺語—– 蒲原有明
 諸君子のひそみに倣つて爆彈のやうな詩を書いて見ようと思はぬでもない。も少し穩かなところで、民衆詩…
虚妄と眞實—– 蒲原有明
     「食後」の作者に  ――君。僕は僕の近來の生活と思想の斷片を君に書いておくらうと思ふ。然し實…
泣菫氏が近業一篇を読みて —–蒲原有明
穉態を免れず、進める蹤を認めずと言はるる新詩壇も、ここに歳華改りて、おしなべてが浴する新光を共にせ…
機縁 (友なる画家の画稿に題す) —–蒲原有明
その一 大海《おほうみ》かたち定めぬ劫初《はじめ》の代《よ》に 水泡《みなわ》の嵐たゆたふ千尋《ちひ…
鴎外を語る—– 蒲原有明
鴎外を語るといつても、個人的接触のごとき事実は殆ど無く、これを回想してみるよすがもない。をかしなこ…
ジヨオジ・ムウア—– 蒲原有明
わたくしはこのごろジヨオジ・ムウアの書いたものを讀んでゐる。それについての話を少しして見よう。別に…
『聊斎志異』より—– 蒲原有明
香玉  労山の下清宮といふは名だゝる仙境なり。ここに耐冬あり、その高さ二丈、大さ数十囲。牡丹あり、そ…
『二十五絃』を読む—–蒲原有明
詩はこれを譬ふれば山野の明暗、海波の起伏なり。新しき歌の巻を読むは、また更にわが身に近くして、さな…
『行く春』を読む—— 蒲原有明
薄田泣菫氏の才華はすでに第一の詩集『暮笛集』に於て、わが新詩壇上いちじるしき誉れとなりしを、こたび…
「有明集」前後—– 蒲原有明
明治三十八年に「春鳥集」を出したときには、多少の自信もあり自負もあつた。わたくしのやうな氣弱なもの…