幸田露伴 印度の古話—— 幸田露伴 いづれの邦《くに》にも古話《むかしばなし》といふものありて、なかなかに近き頃《ころ》の小説家などの作り設くとも及びがたきおもしろみあるものなり。されど小国民を読むほどの少年諸子には、桃太郎|猿蟹合戦《さるかにかっせん》の類《たぐい》も珍らし... 2019.05.09 幸田露伴
幸田露伴 囲碁雑考—– 幸田露伴 棊は支那に起る。博物志に、尭囲棊を造り、丹朱これを善くすといひ、晋中興書に、陶侃荊州の任に在る時、佐史の博奕の戯具を見て之を江に投じて曰く、囲棊は尭舜以て愚子に教へ、博は殷紂の造る所なり、諸君は並に国器なり、何ぞ以て為さん、といへるを以て、... 2019.05.09 幸田露伴
幸田露伴 ねじくり博士—– 幸田露伴 当世の大博士にねじくり先生というがあり。中々の豪傑、古今東西の書を読みつくして大悟《たいご》したる大哲学者と皆人恐れ入りて閉口せり。一日某新聞社員と名刺に肩書のある男尋ね来り、室に入りて挨拶するや否《いな》、早速、先生の御高説をちと伺いたし... 2019.05.09 幸田露伴