「幸田露伴」の記事一覧

水の東京—— 幸田露伴
 上野の春の花の賑ひ、王子の秋の紅葉の盛り、陸の東京のおもしろさは説く人多き習ひなれば、今さらおの…
水—— 幸田露伴
 一切の味《あぢはひ》は水を藉《か》らざれば其の味を発する能はず。人若し口の渇くこと甚しくして舌の…
震は亨る—— 幸田露伴
 震《しん》は亨《とほ》る。何をか悪《にく》まむやである。彖伝《たんでん》には、震来つて※[#「隙の…
少年時代—–幸田露伴
 私は慶応三年七月、父は二十七歳、母は二十五歳の時に神田の新屋敷というところに生まれたそうです。其…
些細なやうで重大な事—— 幸田露伴
 人間には色々の仕草があるがつゞめて言へば、事に処すると、物に接するとの二ツになる、事に処すると云…
骨董—— 幸田露伴
 骨董といふのは元来支那の田舎言葉で、字はたゞ其音を表はしてゐるのみであるから、骨の字にも董の字に…
五重塔—— 幸田露伴
     其一  木理《もくめ》美《うるは》しき槻胴《けやきどう》、縁にはわざと赤樫を用ひたる岩畳《…
言語体の文章と浮雲—- 幸田露伴
 二葉亭主人の逝去は、文壇に取っての恨事で、如何にも残念に存じます。私は長谷川君とは対面するような…
幻談—— 幸田露伴
 こう暑くなっては皆さん方《がた》があるいは高い山に行かれたり、あるいは涼《すず》しい海辺《うみべ…
侠客の種類——- 幸田露伴
 侠客と一口に言つても徳川時代の初期に起つた侠客と其の以後に出た侠客とは、名は同じ侠客でも余程様子…
菊 食物としての—— 幸田露
 菊の季節になつた。其のすが/\しい花の香や、しをらしい花の姿、枝ぶり、葉の色、いづれか人の心持ち…
雁坂越 ——幸田露伴
   その一  ここは甲州《こうしゅう》の笛吹川《ふえふきがわ》の上流、東山梨《ひがしやまなし》の釜…
観画談—— 幸田露伴
 ずっと前の事であるが、或《ある》人から気味合《きみあい》の妙《みょう》な談《はなし》を聞いたこと…
蒲生氏郷—— 幸田露伴
 大きい者や強い者ばかりが必ずしも人の注意に値する訳では無い。小さい弱い平々凡々の者も中々の仕事を…
学生時代—— 幸田露伴
 わたくしの学生時代の談話をしろと仰《おっし》ゃっても別にこれと云って申上げるようなことは何もござ…
華嚴瀧—— 幸田露伴
   一  昭和二年七月の九日、午後一時過ぐるころ安成子《やすなりし》の來車を受け、かねての約に從つ…
花のいろ/\ ——幸田露伴
     梅  梅は野にありても山にありても、小川のほとりにありても荒磯の隈にありても、たゞおのれの…
雲のいろ/\ —–幸田露伴
夜の雲  夏より秋にかけての夜、美しさいふばかり無き雲を見ることあり。都会の人多くは心づかぬなるべし…
運命は切り開くもの 幸田露伴
 此処に赤[#(ン)]坊が生れたと仮定します。其の赤[#(ン)]坊が華族の家の何不足無いところに生…
運命—— 幸田露伴
 世おのずから数《すう》というもの有りや。有りといえば有るが如《ごと》く、無しと為《な》せば無きに…