「投稿者: magoroku@tnnt」の記事一覧

丹那山の怪—— 江見水蔭
      一  東海道《とうかいどう》は三島《みしま》の宿《しゅく》。本陣|世古六太夫《せころくだ…
死剣と生縄——- 江見水蔭
       一  武士の魂。大小の二刀だけは腰に差して、手には何一つ持つ間もなく、草履突掛けるもそ…
月世界跋渉記—— 江見水蔭
  引力に因り月世界に墜落。探検者の気絶 「どうしよう。」 と思うまもなく、六人の月世界探検者を乗せ…
怪異黒姫おろし—— 江見水蔭
      一  熊! 熊! 荒熊。それが人に化けたような乱髪、髯面《ひげづら》、毛むくじゃらの手、…
怪異暗闇祭—— 江見水蔭
      一  天保《てんぽう》の頃、江戸に神影流《しんかげりゅう》の達人として勇名を轟かしていた…
悪因縁の怨—— 江見水蔭
      一  天保銭《てんぽうせん》の出来た時代と今と比べると、なんでも大変に相違しているが、地…
鵞鳥——- 幸田露伴
ガラーリ  格子《こうし》の開《あ》く音がした。茶の間に居た細君《さいくん》は、誰《だれ》かしらんと…
旅行の今昔—— 幸田露伴
  旅行に就いて何か経験上の談話をしろと仰《おっし》ゃるのですか。  どう致しまして。碌に旅行という…
野道—— 幸田露伴
 流鶯《りゅうおう》啼破《ていは》す一簾《いちれん》の春。書斎に籠《こも》っていても春は分明《ぶん…
夜の隅田川—— 幸田露伴
 夜の隅田川の事を話せと云ったって、別に珍らしいことはない、唯闇黒というばかりだ。しかし千住から吾…
名工出世譚—— 幸田露伴
   一  時は明治四年、処は日本の中央、出船入船賑やかな大阪は高津のほとりに、釜貞と云へば土地で唯…
魔法修行者—— 幸田露伴
魔法。  魔法とは、まあ何という笑《わら》わしい言葉であろう。  しかし如何《いか》なる国の何時《い…
墨子—— 幸田露伴
 墨子は周秦の間に於て孔子老子の學派に對峙した鬱然たる一大學派の創始者である。  墨子の學の大に一時…
平将門—— 幸田露伴
 千鍾《せんしよう》の酒も少く、一句の言も多いといふことがある。受授が情を異にし※[#「口+卒」、第…
風流仏—– 幸田露伴
 発端《ほったん》 如是我聞《にょぜがもん》       上 一向《いっこう》専念の修業|幾年《いく…
貧乏—— 幸田露伴
   その一 「アア詰《つま》らねえ、こう何もかもぐりはまになった日にゃあ、おれほどのものでもどうも…
馬琴の小説とその当時の実社会 ——幸田露伴
 皆さん。浅学不才な私如き者が、皆さんから一場の講演をせよとの御求めを受けましたのは、実に私の光栄…
二日物語—– 幸田露伴
    此一日       其一  観見世間是滅法《くわんけんせけんぜめつぽふ》、欲求無尽涅槃処《よ…
突貫紀行——- 幸田露伴
 身には疾《やまい》あり、胸には愁《うれい》あり、悪因縁《あくいんねん》は逐《お》えども去らず、未…
努力論—— 幸田露伴
自序  努力は一である。併し之を察すれば、おのづからにして二種あるを觀る。一は直接の努力で、他の一は…