「甲賀三郎」の記事一覧

罠に掛った人 甲賀三郎
        一  もう十時は疾《と》くに過ぎたのに、妻の伸子《のぶこ》は未《ま》だ帰って来なかっ…
徹底的な浜尾君—— 甲賀三郎
 浜尾四郎君は鋭い頭の持主であった。それに卑しくも曖昧な事を許して置けない性質で、何事でも底まで追…
蜘蛛—— 甲賀三郎
 辻川博士の奇怪な研究室は葉の落ちた欅《けやき》の大木にかこまれて、それらの木と高さを争うように、…
青服の男—— 甲賀三郎
          奇怪な死人  別荘――といっても、二昔《ふたむかし》も以前《まえ》に建てられて、近…
真珠塔の秘密—— 甲賀三郎
        一  長い陰気な梅雨が漸《ようや》く明けた頃、そこにはもう酷《きび》しい暑さが待ち設…
支倉事件 甲賀三郎
          呪の手紙  硝子《ガラス》戸越しにホカ/\する日光を受けた縁側へ、夥《おびたゞ》…
血液型殺人事件—— 甲賀三郎
     忍苦一年  毛沼《けぬま》博士の変死事件は、今でも時々夢に見て、魘《うな》されるほど薄気味…
計略二重戦 少年密偵—– 甲賀三郎
   隠れた助力者  道雄少年のお父さんは仁科猛雄《にしなたけお》と云って、陸軍少佐です。しかし、仁…
黄鳥の嘆き ――二川家殺人事件 —–甲賀三郎
          一  秘密の上にも秘密にやった事だったが、新聞記者にかゝっちゃ敵《かな》わない、…
愛の為めに—— 甲賀三郎
夫の手記  私はさっきから自動車を待つ人混みの中で、一人の婦人に眼を惹かれていた。  年の頃は私と同…
ニッケルの文鎮—– 甲賀三郎
ええ、お話しするわ、あたしどうせお喋りだわ。だけど、あんたほんとに誰にも話さないで頂戴《ちょうだい…
ドイルを宗とす—– 甲賀三郎
私が探偵小説を書いて見ようという気を起したのは疑いもなくコナン・ドイルのシャーロック・ホームズ物語…
キビキビした青年紳士–甲賀三郎
帝大土木科出身の少壮技術者の創設にかかるものでN・K・倶楽部というのがある。この倶楽部に多分大正十…
「黒死館殺人事件」序—– 甲賀三郎
 探偵小説界の怪物《モンスター》江戸川乱歩が出現して満十年、同じく怪物《モンスター》小栗虫太郎が出…
琥珀のパイプ—— 甲賀三郎
 私は今でもあの夜の光景《ありさま》を思い出すとゾットする。それは東京に大地震があって間もない頃で…