「下村千秋」の記事一覧

旱天實景—— 下村千秋
         一  桑畑の中に、大きな葉をだらりと力なく垂れた桐の木に、油蝉がギリ/\啼きしきる…
天國の記録—— 下村千秋
彼女等はかうして、その血と 肉とを搾り盡された 一  三月の末日、空《から》つ風がほこりの渦を卷き上げ…
泥の雨—– 下村千秋
 日が暮れると、北の空に山のやうに盛り上つた黒雲の中で雷光が閃めいた。キラツと閃めく度にキーンとい…
壇ノ浦の鬼火—– 下村千秋
     一  天下《てんか》の勢力《せいりょく》を一|門《もん》にあつめて、いばっていた平家《へい…
神様の布団—– 下村千秋
一  むかし、鳥取《とっとり》のある町に、新しく小さな一|軒《けん》の宿屋《やどや》が出来ました。こ…
曲馬団の「トッテンカン」—– 下村千秋
一  いちばん先に、赤いトルコ帽《ぼう》をかむった一寸法師《いっすんぼうし》がよちよち歩いて来ます。…
鬼退治 —–下村千秋
一  頭は少々|馬鹿《ばか》でも、腕《うで》っぷしさえ強ければ人の頭に立っていばっていられるような昔…
飢餓地帯を歩く ――東北農村惨状報告書――    ——下村千秋
一  これは、青森県のある新聞に載せてあったもので、或る農村――八甲田山麓の村の一青年の詩である。詩と…
とんまの六兵衛—— 下村千秋
 昔、ある村に重吉《じゅうきち》と六兵衛《ろくべえ》という二人の少年が住んでいました。二人は子供《…
あたまでっかち—– 下村千秋
一  霞《かすみ》ガ浦《うら》といえば、みなさんはごぞんじでしょうね。茨城県《いばらきけん》の南の方…