日本文学全集第一巻。食べ物、飲み物と一緒にお楽しみ下さい。
タイトルを一部変更してお届けします。
日本文学全集第一巻。食べ物、飲み物と一緒にお楽しみ下さい。
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2019
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「2019年4月」の記事一覧
洋灯—–横光利一
このごろ停電する夜の暗さをかこっている私に知人がランプを持って来てくれた。高さ一尺あまりの小さな置…
2019年4月30日
横光利一
――木人夜穿靴去、石女暁冠帽帰(指月禅師)—–横光利一
八月――日 駈けて来る足駄《あしだ》の音が庭石に躓《つまず》いて一度よろけた。すると、柿の木の下へ…
2019年4月30日
横光利一
黙示のページ—–横光利一
終始末期を連続しつつ、愚な時計の振り子の如く反動するものは文化である。かの聖典黙示の頁に埋れたまま…
2019年4月30日
横光利一
盲腸—–横光利一
Fは口から血を吐いた。Mは盲腸炎で腹を切つた。Hは鼻毛を抜いた痕から丹毒に浸入された。此の三つの報…
2019年4月30日
横光利一
無常の風—–横光利一
幼い頃、「無常の風が吹いて来ると人が死ぬ」と母は云つた。それから私は風が吹く度に無常の風ではない…
2019年4月30日
横光利一
夢もろもろ—–横光利一
夢 私の父は死んだ。二年になる。 それに、まだ私は父の夢を見たことがない。 良い夢…
2019年4月30日
横光利一
父—–横光利一
雨が降りさうである。庭の桜の花が少し凋れて見えた。父は夕飯を済ませると両手を頭の下へ敷いて、仰向…
2019年4月30日
横光利一
琵琶湖—–横光利一
思ひ出といふものは、誰しも一番夏の思ひ出が多いであらうと思ふ。私は二十歳前後には、夏になると、近…
2019年4月30日
横光利一
微笑—–横光利一
次の日曜には甲斐《かい》へ行こう。新緑はそれは美しい。そんな会話が擦れ違う声の中からふと聞えた。…
2019年4月30日
横光利一
碑文—–横光利一
雨は降り続いた。併し、ヘルモン山上のガルタンの市民は、誰もが何日太陽を眺め得るであらうかと云ふ予想…
2019年4月30日
横光利一
比叡《ひえい》——横光利一
結婚してから八年にもなるのに、京都へ行くというのは定雄夫妻にとって毎年の希望であった。今までにも…
2019年4月30日
横光利一
犯罪——横光利一
私は寂しくなつて茫然と空でも見詰めてゐる時には、よく無意識に彼女の啼声を口笛で真似てゐた。すると…
2019年4月30日
横光利一
日輪—–横光利一
序章 乙女《おとめ》たちの一団は水甕《みずがめ》を頭に載《の》せて、小丘《こやま》の中腹…
2019年4月30日
横光利一
南北—–横光利一
一 村では秋の収穫時が済んだ。夏から延ばされていた消防慰労会が、寺の本堂で催された。漸《ようや》く…
2019年4月30日
横光利一
頭ならびに腹——横光利一
真昼である。特別急行列車は満員のまま全速力で馳けてゐた。沿線の小駅は石のやうに黙殺された。 とにか…
2019年4月30日
横光利一
冬の女——横光利一
女が一人|籬《まがき》を越してぼんやりと隣家の庭を眺めてゐる。庭には数輪の寒菊が地の上を這ひなが…
2019年4月30日
横光利一
鳥——-横光利一
リカ子《こ》はときどき私《わたし》の顔《かお》を盗見《ぬすみみ》するように艶《つや》のある眼《め…
2019年4月30日
横光利一
赤い着物—–横光利一
村の点燈夫《てんとうふ》は雨の中を帰っていった。火の点《つ》いた献灯《けんとう》の光りの下で、梨《…
2019年4月30日
横光利一
静かなる羅列—–横光利一
一 Q川はその幼年期の水勢をもつて鋭く山壁を浸蝕した。雲は濃霧となつて溪谷を蔽つてゐた。 …
2019年4月30日
横光利一
睡蓮《すいれん》—–横光利一
もう十四年も前のことである。家を建てるとき大工が土地をどこにしようかと相談に来た。特別どこが好きと…
2019年4月30日
横光利一
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