「沖野岩三郎」の記事一覧

馬鹿七—— 沖野岩三郎
    一  紀州《きしう》の山奥に、狸山《たぬきやま》といふ高い山がありました。其所《そこ》には、…
山さち川さち—– 沖野岩三郎
    一  昔、紀州《きしう》の山奥に、与兵衛《よへゑ》といふ正直な猟夫《かりうど》がありました。…
源八栗 —–沖野岩三郎
    一  もうりい博士は、みなとの汽船会社から、こまりきつたかほをして、かへつて来ました。それは…
硯箱と時計—– 沖野岩三郎
 石之助《いしのすけ》が机にむかつて、算術をかんがへてゐますと、となりの金《きん》さんが来て、 「佐…
熊と猪—— 沖野岩三郎
    一  紀州《きしう》の山奥に、佐次兵衛《さじべゑ》といふ炭焼がありました。五十の時、妻《かみ…
愚助大和尚—– 沖野岩三郎
 愚助《ぐすけ》は忘れん坊でありました。何を教へましても、直《す》ぐ忘れてしまふので、お父様は愚助…
岩を小くする—– 沖野岩三郎
 後村上《ごむらかみ》天皇さまの皇子さまに、寛成《ひろなり》さまと申すお方がございました。  まだ、…
蚊帳の釣手—– 沖野岩三郎
    一 万作《まんさく》は十二歳になりました。けれども馬鹿《ばか》だから字を書く事も本を読む事も…
ばべるの塔—– 沖野岩三郎
 まだ、電話も電信も、なんにもない、五六千年も、まへのおはなしです。  ひろいひろい、のはらを、みつ…
バークレーより——- 沖野岩三郎
 サンフランシスコから渡船《フェリー》でオークランドに渡り、更にエス・ビーの電車で五哩程行くと、セ…
にらめつくらの鬼瓦—– 沖野岩三郎
 今雄《いまを》さんは、五年級甲組の一番でした。  京一《きやういち》さんは、五年級乙組の一番でした…
アラメダより——- 沖野岩三郎
アラメダの飛行場へ行った。 『飛行機に乗ろう?』 『およしなさい。落ちたら大変です。奥様に申訳がない…